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光触媒

 昨日は、ある会合で光触媒の販売で起業された方のお話を聞きました。

 光触媒は光のエネルギーを使って働く触媒で、太陽の紫外線が当たると、その表面で強力な酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができます。酸化チタンを原料とし、以下のような効果があります。
①大気浄化
 大気汚染の原因となり、人体にも有害なNOx(窒素酸化物)やVOC(揮発性有機化合物)などを酸化分解し、無害にします。
②脱臭
 アセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素などの悪臭を分解します。
③水質浄化
 レジオネラ菌や緑膿菌などのバクテリア、農薬や洗剤などを由来とした環境ホルモンを分解し、安全な水にします
④浄水
 水中に溶解した汚染物質であるテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物を分解、除去します。
⑤抗菌(殺菌)
 黄色ブドウ球菌や大腸菌などを分解、不活性し、衛生環境を改善します。また、ウィルスやカビも分解できるため、種類や使用環境によっては感染症やアレルギーの予防にも役立てられます。
⑥防汚(セルフクリーニング)
 汚れの元になる表面の油分などを分解すると同時に、超親水性によって汚れを落ちやすくします。つまり外壁や窓ガラスの汚れは雨が洗い流してくれます。洗剤を必要としません。

 1999年には2005年の市場規模は1兆円になるとまでいわれていましたが、2004年段階で550億円ほどにとどまっています。また、水処理、脱臭関連分野が主な用途とみられていましたが、2004年の実績では外装材がほぼ半分で、内装材、道路資材などと合わせた建設分野が全体の6割を占めています。光触媒の需要の伸びが鈍い一因は、光触媒の性質をよく理解しないままに機能を宣伝した事業者が多かったことにあるといわれています。関連業界の働きかけで、2004年に光触媒に関する初めてのJISとして空気浄化性能試験方法が制定されました。さらに、セルフクリ-ニング、空気浄化、水質浄化、抗菌、抗カビについても、規格化が進められる方向にあります。同時に日本で生まれた光触媒技術の優位性を確保するために、国際標準化も目指しており、日本の提案でISOの検討も進められています。ジャパンハイドロテクトコーティングスのカラーコーティング材、太洋工業の光触媒テント、宇部興産の高強度光触媒繊維モジュール、ダイキン工業の光触媒を利用した空気清浄機など、製品開発や用途開発が徐々に進められており、市場拡大が期待されています。課題としては、波長380nm以下の強い紫外線が必要なことと、導入コストがまだまだ高いことがあげられています。

 会合での議論の中では、家庭で簡単に噴霧できて効果を発揮する大衆消費財の開発や家電製品のVOC対策などの用途開発、さらに掃除コストが年間どれくらい削減できるかなど、効果を数値化してプロモーションするなどのマーケティングの工夫なども普及のために必要だろうという意見が出されました。技術開発、用途開発、コストダウン、マーケティングによって、環境浄化素材としての「光触媒」は今後大いに期待できると感じました。
 

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