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CO2を原料に樹脂を開発

 「日経ものづくり」1月号に「排出されるCO2を原料に新種の樹脂を開発」という記事が掲載されていました。

 CO2を原料とした全く新しい樹脂を開発しようというプロジェクトが、東京大学、東京理科大学、慶応義塾大学、金沢大学の4大学と、帝人、住友化学、住友精化、三菱商事の4企業の計8団体からなるチームで結成され、研究が進んでいるといいます。2012年までに基礎研究を終え、その後実用化を目指すとしています。

 研究グループが想定している運用は、発電所や工場などの施設からCO2を回収・精製した上で化学プラントの輸送し、ほかの原料と共重合させるというもので、この過程で得られた樹脂は、粉末やペレットの形態で流通し、最終的に包装材や構造材(成形品)へと姿を変え、利用されるようにするといいます。

 これらの包装材や成形品を燃やせば、再びCO2が出てくる可能性はありますが、少なくとも包装材や成形品などの状態を維持しているうちは、CO2が大気中に放出されるのを防いでいる考えられます。さらに、CO2によって通常の樹脂を代替している分だけの石油や石油化学製品を節約していることになります。つまり、CO2をリサイクルしようという考えです。

 東京大学らの研究グループが実用化を目指している樹脂とは、ポリカーボネート(PC)です。一般的な工業製品に使われているのは「芳香族PC」で、これから研究が進められるのは「脂肪族PC」と呼ばれるものです。エポキシドとCO2を交互共重合させると「脂肪族PC」が得られます。「脂肪族PC」には生分解性と熱分解性に優れているという特徴があるそうです。しかし、エポキシドの種類やポリマの構造式、重合度などによって性質が変わるそうで、市場がどのような樹脂材料を求めているのかを探りつつ、方向性を見定めていくとのことです。

 この反応は、東京理科大学の井上祥平教授が40年前の1968年に発見したもので、当時学術的な関心は高かったが、反応性が悪い(副生成物の割合が多い)こともあり、工業的には重要視されてこなかったそうです。それが、地球温暖化の要因のひとつとしてCO2が取りざたされるようになってから注目されるようになりました。

 現在は、副生成物が発生しにくくなる触媒や反応条件などを東京大学の野崎京子氏が確立したことで、実用化に一歩前進したといわれています。今後の研究開発の動向に注目していきたいと思います。

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コメント

 三菱商事は一時のカーボンオフセットの掛け声がなくなっているように思う。3.11があろうがなかろうが、地球温暖化の危機は着実に進行しているのも事実であることを忘れているように思う。市民レベルでの監視強化は重要だ。

投稿: DLC | 2013年9月 7日 (土) 21時00分

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