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光合成、ナノテクで一部再現

 今朝の日経新聞に、「光合成、ナノテクで再現」という記事が掲載されていました。

 植物の光合成を人工的に再現すれば、食物生産やCO2の利用など夢の技術になる可能性があります。京都大学物質-細胞統合システム拠点の今掘博教授は、光合成の一部をまねるのに成功したとのことです。

 植物の葉緑体に光が当たると、水と二酸化炭素から、でんぷんなどの炭水化物や酸素が作られます。これが光合成ですが、最初の反応で何が起きているのかがわかったのはほんの20年前のことだそうです。

 葉緑体が光を受けると電子が移動し、マイナスの電子が抜けた穴(正孔)はプラスの電荷を帯びます。こうしてできた電気的な偏りがエネルギーを生み出し、でんぷんなどを作る駆動力になります。通常、電子は不安定ですので、すぐに元の位置に戻ってしまうのですが、葉緑体では1秒以上も戻らず、大きなエネルギーを生むのだそうです。今回、その仕組みをまねるのに成功したということです。

 ナノテクノロジーの代表的素材にフラーレンというのがあります。この物質は電子を取り込みやすく、手放しにくいという性質があります。これをポルフィリンという物質に結合させると、電気的な偏りの持続時間が従来の1/000秒程度から、葉緑体並みの秒単位にまで延びたそうです。これらの分子は光をエネルギーに変えるので、太陽電池に応用できます。シリコン製の太陽電池に比べてエネルギー変換効率は低いが、安価で軽く、色づけしてデザイン性を高められるといいます。

 光合成が丸ごと再現できれば、食糧問題を解決できる切り札にもなるでしょうし、人工物がCO2を吸収して酸素を放出すれば、地球温暖化問題の解決にも大きく貢献できるわけですが、そこまでいくのはまだまだ難しいようです。

 光合成のほかにもまねると有望な植物の働きがあるといいます。ある種の植物では葉緑体が車輪状に並び、効率的に集光しています。この仕組みをまねれば太陽電池の性能向上が期待できます。また水を分解できる光触媒に応用して、次世代エネルギー源である水素を水から作ることも検討されています。

 光合成は、今は植物ならではの反応ですが、もっと研究が進んで人工的にできるようになる時代が来るのでしょうか。そうなると、環境問題も解決するかもしれませんが、植物の存在価値が下がり、自然破壊がもっと進むということになっては困りますね。やはり自然を敬い、共存して人間も生きていきたいですね。

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