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原子力発電は温暖化対策になるのか

 3/10(月)の日経新聞朝刊に、「温暖化対策、政府、原子力活用促す」という記事が掲載されていました。

 政府は原子力発電を地球温暖化対策として拡大・活用するため、3月中にも原子力委員会で報告をまとめ、日本の原子力政策ビジョンを公表するそうです。

 原子力は発電時にCO2を排出しません。2050年に世界の温暖化ガス排出量を半減する目標に向けて、原子力の有効利用を国際社会に呼びかけるとしています。京都議定書では原発での排出権取得を認めていませんが、2013年以降の「ポスト京都」の枠組みで原子力を有効な地球温暖化対策と位置づけ、途上国で温暖化ガス削減に取り組む先進国が見返りに排出権を得るクリーン開発メカニズム(CDM)で、原子力を対象にするよう働きかける意向ということです。

 政府の意向は上記のように原子力を2050年までに温暖化ガス排出量を半減する特効薬と考えているようですが、この考えには疑問を感じています。2003年末で、世界の発電用原子炉数は434基で、それらは総発電電力の16%、一次エネルギー供給の6%を担っているに過ぎません。原子炉の寿命を40年としても、2050年までに半数以上が、2050年までに全てが操業を停止し廃炉に向かうといいます。一方、火力発電分を原子力で置き換えるなら、およそ2230基が必要となり、2025年までにこれを達成しようとするなら毎週2~3基が、2050年までなら毎週1基が、送電を開始しなければならないという計算になるそうです。日本でも同様の計算をすると、2050年までに毎3~4ヶ月に1基が送電を開始しなければならない計算になるそうです。世界の電力需要が高まれば、そのスピードを加速しなければなりません。そのようなことはおよそ不可能でしょう。また、原子力発電にはバックアップ用電源として、火力発電所も増えていくことになり、温暖化対策にはならないということです。さらに原子炉の運転を終了すれば、それは巨大な放射性廃棄物となり、その捨て場に苦慮することになります。長期的な視点に立てば、やはり自然エネルギーや分散システムの導入を促進すべきでしょう。

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