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動き出すカーボンオフセット市場

 日経エコロジー10月号に、「動き出すカーボンオフセット市場-130の商品・サービスが登場」という記事が掲載されていました。

 「CO2ゼロ」「排出枠(権)付き」という言葉を冠した商品やサービスが相次いでいます。これらは「カーボンオフセット」と呼ぶ仕組みを採用しています。カーボン・オフセットフォーラムによれば、今年1~7月の累計で約130件に達するそうです。7月だけでも約30件が発表されています。

 カーボンオフセットとは、個人や企業が自らの努力だけでは削減しきれない分の温暖化ガス排出量を、排出権の取得や植林の実施など、CO2排出量を削減したことで生まれるクレジット(環境価値)によって相殺することです。つまり、商品・サービスの売上の一部を相殺費用に充てるのが、カーボンオフセット付き商品・サービスということになります。

 カーボンオフセットには、何から排出するCO2を相殺するのかによって、「LCA型」と「寄付型」の2種類があります。LCA型は、クレジットを付ける商品やサービスの製造、販売、使用、廃棄する過程で発生するCO2量を算定して相殺する方式です。一方寄付型は、商品を購入する顧客が日常生活全般で排出するCO2を相殺する方式です。販売金額の何%かをクレジットの購入に充てると表示しているものです。

 利用するクレジットの種類には、CO2削減事業から生まれる排出枠と、グリーン電力証書、植林の3種類があります。また、排出枠には国連が認証したCERと、国連以外が認証したVERがあります。CERの無効化処理には2種類あり、京都議定書で定められた国の6%の削減目標に貢献したいのなら、「償却」に排出量を入れる、そうでないのなら「取り消し」に入れるということになります。「日本政府の6%削減に貢献します」とうたっているカーボンオフセット商品は「償却」に入れていることになります。

 現在、カーボンオフセットには課題もあります。第一に、CO2排出量を算定する範囲や方法、相殺するクレジットの認定基準などが統一されていないということです。商品・サービスを販売する企業によって算定方法や相殺分の料金がバラバラで、消費者が選択しにくい状態になっています。第二に、そもそもプロバイダーから購入したCERが確実に政府に寄付されているのか、第三者が監査する制度がないということです。

 環境省が2月に公表した指針を受け、カーボンオフセットの信頼性を確保するための制度上の基盤作りも急ピッチで進んでいるそうですが、消費者も単に罪悪感の軽減にと気軽に購入するのではなく、カーボンオフセットのからくりを勉強し、購入したカーボンオフセット商品・サービスが実際にどのクレジット購入に充てられ、どのようにCO2排出削減に貢献するのかを確認したいと思うようになるでしょう。たとえば、植林に充てられるのなら、どこにどんな木を何本いつ植林するのか、知りたくなりますよね。そういうことを開示する商品・サービスが登場すると売れるかもしれませんね。

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