エコ容器の開発、におわなっとう
日経エコロジー11月号に、「コスト削減から環境ブランドの向上へ-容器包装で攻める」という特集記事がありました。その中で印象に残った記事がありました。ミツカン(愛知県半田市)の「金のつぶ あらっ便利!」シリーズの商品です。
「におわなっとう」の容器をあけると、あらっ、納豆の上にあるフィルムが無い。いつものタレとカラシの袋もない。その代わりに容器の右下の端に三角形に仕切られたスペースにタレが入っているではありませんか。一瞬どうやってタレを取り出すのかなと思ったのですが、タレがゼリー状になっていて、箸でつまんで納豆の入った方に移動できるではありませんか。そしていつものように納豆とかき混ぜてご飯にかければ出来上がり。カラシは付いていないのですが、タレの味が濃くなったようで、カラシが無くてもおいしく感じました。おぉっ、久々に感動しました。
記事によると、この容器の変更は「社運をかけた変更だった」そうです。「金のつぶ におわなっとう」は年間30億円を売り上げる人気商品でしたが、消費者からの「ビニールのフィルムがべたつく」「タレの小袋が開けづらくて飛び散ってしまう」といったクレームが年間10件程度続いていたそうです。そうした不満を解決しようと「納豆革新プロジェクト」を立ち上げ、悪戦苦闘が続いたそうです。
フィルムを完全に無くして完全に容器を密閉すると空気が入らず、納豆菌が発酵できなくなってしまう。納豆の乾燥を防ぎながら、適量の空気を通す。その絶妙なバランスを保っていたフィルムを無くすのは至難の業だったそうです。この難題を特殊な接着技術を使った密封容器を開発することで解決しました。また、タレと納豆が接すると、納豆菌がタレの甘みやうまみを食べてしまう。タレの味がなくなったり、納豆菌の発酵が妨げられる。どうしてもタレと納豆は分けなければならなかったのです。タレを入れる部分が三角形だとタレを充てんし難いと生産現場からの抵抗もあったとのことです。しかし、消費者のアンケート調査で三角形タイプが高い評価を得たことから、製造工程を見直してこれも乗り切りました。さらに8割の家庭がカラシを常備しており、納豆にカラシを使う人は55%程度という調査を基に、カラシをなくし、代わりにタレの甘みとうまみを強くして味を付け、水分量を減らして腐りにくくしたそうです。
こうして出来た「金のつぶ あらっ便利!」シリーズは予想以上の売れ行きを記録しました。ゴミが少なくなったエコ容器。単に環境にやさしいというだけでなく、消費者の不満を解決しようと工夫したことが成功につながったのでしょう。
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