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砂漠を世界のエネルギー供給基地に

 今朝の日経新聞に、「太陽光発電 砂漠を使え-電池や送電線で日本の技術活躍」という記事が掲載されていました。

 砂漠の大規模太陽光発電所を設置し、電力を周辺各国に供給しようという構想が動き出しているそうです。国際エネルギー機関(IEA)の「砂漠からのエネルギー」に関する作業部会が、面積や日照時間、技術課題などを検討中で、来年にもサハラ砂漠やゴビ砂漠を舞台に実際の建設を想定した詳細計画を作るとしています。

 地球上に入射する太陽エネルギーの総量は莫大で、たった1時間で世界のエネルギー消費1年分(2004年での石油換算108億トン)をまかなえるほどです。IEA作業部会は、ユーラシア大陸に広がるゴビ砂漠の半分に太陽電池パネルを敷き詰めれば、地球全体の年間エネルギー需要をすべてまかなえるという試算をまとめました。

 IEA作業部会は、太陽電池が光を電力に変える変換効率を15%と仮定していますが、これを上回る性能の電池も製品化されています。また電力ロスの少ない特殊な送電線も実用化しています。

 銅線を使った従来の送電線では発電量の5%程度が電気抵抗による発熱などで失われます。そこで超伝導物質の利用が検討されています。1980年代に摂氏零下196度の安価な液体窒素でも抵抗をゼロにできる「高温」超伝導物質が見つかりました。住友電気工業が「ビスマス系」高温超伝導物質を使って高品質な線材を開発しました。1本で銅線の150~200倍の電流を流せ、冷却用エネルギーを考慮しても電力損失が銅の場合の半分で済む実用品の作製に成功しています。

 一方太陽電池も技術進歩が急ピッチで進んでいます。たとえば三洋電機はアモルファスとシリコン結晶の技術を生かした独自構造の「HIT太陽電池」を改良し、変換効率は砂漠プロジェクトで想定する水準を大きく上回る22.3%に達しています。通常の多結晶型シリコン太陽電池では温度が上がると変換効率が急低下するが、HIT電池は下がり方が緩やかなので、高温の砂漠などでも良好な性能が期待できるといいます。

 IEAの砂漠プロジェクトには日本、米国、ドイツなど10ヵ国が参加し、オーストラリアも加わる意向だそうです。有力候補の1つがアフリカ北部のサハラ砂漠一帯からスペインにかけて出力100メガワット以上の大規模太陽光発電所を複数建設し、欧州などに電力供給する案です。さらにゴビ砂漠からアジア一帯、アラビア半島などの砂漠地帯から中東一帯にそれぞれ電力を供給する計画も研究を続けるとしています。

 未利用の砂漠を、CO2排出量の極めて少ない電力の供給源にし、さらに林や畑を砂嵐の緩衝材として太陽電池パネルの周辺に置くことで、砂漠緑化にも役立てる構想があるそうで、このプロジェクトの成功には期待が膨らみますね。

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