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電気自動車のエコ度

 今朝の日経新聞に、「電気自動車どこまでエコ」という記事が掲載されていました。

 電気自動車は、ガソリン車に比べてエコだというイメージはありますが、どこまで環境にやさしいのか検証する必要があるといいます。

 ガソリン車はエンジンから出る熱や動力を伝える歯車の摩擦などでエネルギーがムダに消費され、ガソリンの持つエネルギーのほんの一部しか動力として利用していません。これに対して電気自動車はインバータ(電気回路)でモーターの回転を制御するため、熱や機械的なエネルギーの損失が少なく、慶応義塾大学の清水教授の試算では、充電する電気の100%を石油火力で生み出す条件下でも、電気自動車のCO2排出量はガソリン車の1/3程度になるといいます。三菱自動車では、日本の平均的な電力構成(電気の約6割を石油、石炭、天然ガスの化石燃料でつくる前提)で電気自動車の効率はほぼ2倍と試算しています。

 つまり使用段階では電気自動車は明らかにエコと言えるのでしょう。それでは製造から使用、廃棄までの自動車の全生涯(ライフサイクル)でのCO2排出はどうでしょう。三菱自動車も清水教授も「計算は難しい」と言います。理由は「量産前段階では少量に大きなエネルギーを費やしてつくるため量産品と比較できないから」というのです。

 確かに、量産品と非量産品では造り方が違いますから単純に比較できません。電気自動車が量産できるようになった場合の造り方を仮定して推量するか、ガソリン車を非量産型で造ってみて比較するということになるのでしょう。ただ通常使用期間の長さを考えると製造段階での電気自動車のCO2排出量がかなり大きくても使用時の削減効果を考えると、ライフサイクル全体では少なくなると予想されます。

 CO2排出量でみると電気自動車の方がエコだったとしても、資源消費の面では必ずしもそうとは言えないようです。モータに入っている高性能な永久磁石(ネオジム磁石)は希土類(レアアース)と呼ぶ物質群を含んでいます。とくにディスプロシウムという物質が問題だといいます。ディスプロシウムは磁石の耐熱性を上げるために加える物質で、レアアースの約93%は中国産だといいます。この問題を解決するためには、レアアースの新鉱山開発か、希少金属を含まない磁石の実現ということになります。

 電気自動車は地球温暖化に対しては有効と言えますが、資源枯渇に対しては問題が多いということになります。エコに関しても一面的な捉え方をすると判断を誤る可能性がありますので注意が必要です。日立を始め、いくつかの企業がレアアースを使わない磁石技術を研究しているようですので、研究成果に期待したいところです。

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コメント

環境問題ってこれからどんどん大切になって行くんですよね。
恥ずかしい話ですが自分は横着なもんで中々行動に移せないでいましたがこんな楽ちんエコを見つけたのでこれなら出来ると早速始めました。
http://poteto38.web.fc2.com/eco.html

投稿: こええこ | 2008年12月14日 (日) 12時17分

 電気自動車のネックは電池である。岡村廸夫(おかむら・みちお)先生の「電気二重層キャパシタと蓄電システム 第3版」2005.9.が良さそうである。
 二次電池がリチウム電池からイーキャスに取って代われば、またエコな時代に進む事になる。

投稿: 地下水 | 2012年2月16日 (木) 01時21分

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