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中小企業の省エネを後押しする「国内クレジット制度」

 今朝の日経新聞に、「省エネサービス中小向け広がる-CO2削減分排出枠として売却」という記事が掲載されていました。

 中小企業の省エネを後押しする「国内クレジット制度」を使った省エネサービスが広がっているようです。省エネ設備を導入すれば、長期的にはコスト削減になることはわかっていても、投資回収に年月がかかりすぎてなかなか投資に踏み切れない。そうした中小企業の背中をひと押ししようと政府が考えたのが、「国内クレジット制度」です。

 この制度は、中小企業の省エネによるCO2削減量を算定し、それに応じた排出枠を付与。大企業が排出枠を買い上げることで、省エネ投資の回収期間を短くするというものです。排出枠を購入した大企業は自社でCO2を削減したとみなされるので、自主目標達成に役立てることができます。2008年10月に開始されました。

 環境事業を手がける山武は、島根県中小企業団体中央会と協力し、同県内の医療機関向けの省エネサービス2件で、排出枠の創出・売却を申請しました。また今年度中に10件程度、2009年度は40件の申請を目指すとしています。

 ファーストエスコもエネルギー使用が多い中堅企業を中心に、CO2の排出削減量を見極めるサービスを始めました。年数十件の利用を見込み、半分程度で排出枠を作って売却する計画を立てています。

 北海道電力の子会社は、自治体の庁舎やホテルの空調・照明を最新の省エネ機器に更新するサービスを提供し、削減したCO2を北海道電力が排出枠として購入するサービスを始めました。

 パナソニック電工は、待機電力を減らせる照明機器を設置した顧客から、排出枠を関連会社が買い取る仕組みを作りました。

 新日鉄エンジニアリングは中小企業が自らボイラーや発電機を停止して外部からの供給に転換するサービスで、排出枠の売却を提案しています。

 中小企業が自ら排出枠を獲得し、売却するにはなかなかハードルが高いかもしれません。たとえば、この制度を受けようとすると、第三者から2回の検証を受けなければなりません。

 第1の検証は、中小企業が大企業と連携して事業内容を固め、作成した申請書の検証です。事業の内容の妥当性とベースラインの算定結果がチェックされます。ここでのポイントが「追加性」です。追加性とは、制度がなければ実現しなかった省エネ投資かどうかの検証です。もし、制度がなくても実施した投資と判断されれば、追加性はなしとされ、申請は認められません。

 第2の検証は、削減事業実施後の検証です。第三者機関は、電気料金などの伝票や現場の視察、ヒアリングなどから削減量を確定します。これは1年ごとに実施されます。

 こうした検証を受けるにも費用がかかり、それを上回る売却益がなければ経済的メリットが得られないということになります。経産省は施行当初は検証費用に補助金を出す方針のようですが、中小企業が主体となってプロジェクトを組むにはハードルが高そうです。そうした状況の中で、上記のようなESCO事業者や大企業が提供するサービスに乗るのも一つの選択肢だと思います。制度の詳細は走りながら考えるというのが実態のようですが、中小企業が利用しやすい制度になることを期待したいものです。

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