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量子ドット型太陽電池

 今朝の日経新聞に、「太陽電池 次世代型の発電効率向上」という記事が掲載されていました。

 東京大学やシャープのチームが「量子ドット型」と呼ばれる新タイプの太陽電池の試作品づくりに成功したといいます。

 量子ドット型太陽電池は、化合物にナノメートルサイズの極微細な半導体粒子(量子ドット)を作り込み、「量子効果」と呼ばれる現象を利用して発電する太陽電池です。シリコン系太陽電池では、三洋電機が今年5月に発表した発電効率23%が世界最高値で、理論的には30%が限界とされています。量子ドット型は、半導体粒子の大きさや構造などを工夫すれば、太陽光に含まれる様々な波長の光を利用でき、理論的な発電効率は60%といわれています。実績値では2007年の7%が最高でしたが、今回の試作品では16%まで伸びています。

 東大先端科学技術研究センターの岡田至崇・准教授らは、インジウム・ガリウムなどを含む膜の中に高さ5ナノメートル、直径数十ナノメートルのインジウム・ヒ素の粒子を規則正しく並べ、この膜をいくつも重ねた結果、赤外線を含む幅広い波長の光を利用でき、発電効率16.1%の試作品を作成できたといいます。また、東大ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦教授らもシャープと共同で、基板にインジウム・ヒ素でできた極めて小さな粒を作り込み、電子を余さずに取り出せる新方式を考案して発電効率16%の量子ドット型の試作に成功したそうです。

 今後、製造コストの引き下げや、大型化しても効率を下げない技術などが課題とされていますが、これまでの①シリコン系、②化合物系、③有機系(色素増感型など) いずれも理論値は約30%であるのに対し、④量子ドット型 は約60%ですから発電量拡大の切り札になる可能性があります。10センチ角で1家庭分の電気をまかなえる可能性があるということで、期待が高まります。太陽電池の研究開発動向については、こちらのレポートが参考になります。今後、量子ドット型の発電効率の実績値がどこまで理論値に近づけるか、見守っていきたいものです。

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エネルギー」カテゴリの記事

コメント

 岡田至崇教授の「量子ドット太陽電池」2010.7.が良さそうである。
 SiとSiCの層厚を調整して積層し、大きさの異なる量子ドットを順調に成長できれば、これ程美しい太陽電池は無かろう。

投稿: 地下水 | 2012年2月16日 (木) 00時58分

 しかしながら、積層間の格子定数の違いで、層を超える時に、キャリアーがトラップされる事で、キャリアーが目減りする問題が起きており、期待される程の変換効率が得られていない様である。
 量子ドットを充分に近づけて、トンネル効果が流れを助ける距離にする必要がある。
 SiCの原料にエタノールを使うとエタノール基が幾分残っておりトラップが多くなるので、メタンにしたら改善したと言う話もある様である。

 また、量子ドットがパラボラー状であり、その焦点がドットの中央にあれば、光電変換率が上がるのではないかと思う。

投稿: 地下水 | 2012年2月16日 (木) 01時09分

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