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排熱を運んで冷暖房に利用

 録画していたDVDから、2009年2月15日に放送されたTBS「夢の扉」を見ました。テーマは「工場から出る排熱で家庭の冷暖房をまかないたい」

 ここで紹介されていたのは、熱を運搬することを可能にする物質です。工場から出る排熱は、隣接する施設で利用できる場合は、パイプラインでつないで利用されています。温水プールなどがその例です。しかし、多くは利用できずに捨てられているといいます。遠く離れた場所に熱を運ぶことができたらもっと排熱利用が進むはず。そう考えた岩井良博(三機工業)さんは、熱を運ぶヒートコンテナを開発しました。コンテナに中には「酢酸ナトリウム」という物質が入っています。

 液体⇔固体の相変化の際に放出あるいは吸収される熱エネルギーを潜熱といいます。「酢酸ナトリウム」は相変化を起こす温度がおよそ60℃。高温に熱せられた液体は時間とともに温度が下がっていきますが、酢酸ナトリウムの場合、約60℃になると放熱を始め、長時間60℃の温度を保つことができます。その時間はおよそ2時間。その間に移動して水などの別の物質に熱を伝えて利用しようというわけです。

 現在の課題はコンテナが大きすぎること。そして、熱がなくなれば何度も運ばなくてはならない。つまりピストン輸送が必要になるということです。岩井さんは、「小さくして利用場所に設置して長時間使えるようにしたい」と言います。

 さらに、排熱を冷房にも使えないかという研究もされています。「ガス冷蔵庫」というものがあります。これは、アンモニアなどのアルカリ性質のものを液化させ、気化器へ送り、急激に気化させ、そのときに発生する吸熱効果を利用して冷却する冷蔵庫のことをいいます。気化させるときにガスの火を使うので「ガス冷蔵庫」といいます。つまり、気化させる時に一時的に熱が必要になります。気化には100℃以上の熱が必要だそうで、「エリスリトール」という物質はおよそ2時間100℃を保つことができるそうです。「エリスリトール」を使って熱を運ぶことができれば、排熱を冷房にも利用できるというわけです。

 (財)省エネルギーセンターの調査によると、工場や焼却炉などでムダに捨てられている排熱量は日本全国で1年間におよそ27万テラcalで、購入されたエネルギーのおよそ9.6%が捨てられていることになるのだそうです。これは日本の全住宅の5年分のエネルギーをまかなえる量だそうです。排熱をうまく利用するというのは、CO2排出削減にとって大きな意味があります。岩井さんの夢が実現して、ヒートコンテナが小さくなって一般家庭でも排熱を使えるようになるといいですね。

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