環境コミュニケーション

絵本「くさのみち」が伝える自然と寄り添う生活

  昨日は、「ちくじん関西 環境部会」という環境をテーマにした異業種交流会で、イラストレータの乾 紗英子さんからお話を聞きました。そう、このブログで昨年10/6にご紹介した方です。あれからおよそ1年、暖められていた絵本が出版されたということで、この本に込めた思いを伺いました。001_3

 カヤネズミに興味を持ったことがキッカケでカヤネズミが生息する草地に思いを馳せるようになった乾さん、「カヤネズミが減少しているのは草地が減ったからではなく、草地に対して人間が働きかけをしなくなったから」と言います。草地は放っておくとうっそうとしたやぶかになり森になってしまいます。人間が放牧、刈り取り、火入れをすることによって草地が保れ、カヤネズミも生息できたということです。しかしこれは何もカヤネズミのためにしたことではありません。人間が生きていくためにしてきたことなのです。
 
 この絵本は、人間が自然と寄り添って自然に生きていくことが楽しいことで、また環境を守ることにつながるんだということを、心和む絵を添えてやさしく語りかけてくれています。

 この絵本の帯に使われている紙は琵琶湖湖岸のヨシから作られたものだそうです。なんとなくやさしい肌触り。草も役に立つというメッセージ。

006_2  さて、私の家の両隣は草地。トンボや蝶が飛んでいるのをよく見かけます。道にはみ出た草は刈っているのですが、少しはCO2も吸収するだろうと土地の持ち主が草刈りに来るまで放っています。このままでいいのか、ちょっと問題意識が芽生えた一日でした。

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トヨタの環境経営への心意気

 今朝の日経新聞に、日本経済新聞社が実施した第11回「環境経営度調査」の企業ランキングが紹介されていました。製造業の総合順位でトヨタ自動車が2年連続のトップ。ブリジストンと東芝が二位という結果でした。「環境経営度調査」は企業が環境対策を経営と両立させる取り組みを評価する調査で、製造業の評価項目は、①運営体制・長期目標、②汚染対策、③資源循環、④製品対策、⑤温暖化対策、⑥オフィス の6つ。

 トヨタという会社はすごい会社ですね。経営もさることながら、環境に対する取り組みにも覚悟が感じられます。1990年から1991年にかけて展開されたトヨタの企業キャンペーンに「ドリトル先生」が登場するものがありました。動物たちと自由に話しができるキャラクター、ドリトル先生が登場して動物たちといろいろなことを考えます。話のテーマは「いいクルマってなんだろう。」でした。ドリトル先生が、カナリアに向かって「クルマの話をしようか。」と話しかけます。カナリアは「クルマ? 私、クルマあまり好きではありません。」と冷たい返事が返ってきます。「空気は汚れるし、事故も増えるし・・・。」 いろいろ話し合うのですが、カナリアのクルマ嫌いは変わりません。ドリトル先生は、「自分が愛してやまないクルマという乗り物が、人間自身や地球のいろんな生き物たちとどうもしっくりいかなくなりはじめているんじゃないかと気になって仕方なくなったのです。」と自分の気持ちを打ち明けます。「先生が、私たち動物と話をなすったように、もしクルマと話ができたら、きっと彼らだっていいますよ。嫌われ者になりたくないよーって」とカナリアは答えます。この広告のタイトルは「クルマなんてなくてもいい、とある日思った。クルマがあってああよかった、次の日思った。」となっています。

 ここにトヨタの環境経営に対する考え方が凝縮されていると思いました。同時期の新聞広告の中には、広告の末尾を「人が思っていることをトヨタも思っていたい」「社会が考えていることをトヨタも考えていたい」「あなたの考えていることをトヨタも考えていたい」といった企業メッセージで締めくくっています。そこには、クルマが社会でどのような存在でいるのか、果たして人々からのけ者にされていないか、その原因は何かを常に考え、対応しようとしているトヨタの考え方が示されています。

 トヨタは今年7月に家庭のコンセントで充電できるハイブリッドカーの開発も進めていると発表しました。「嫌われ者になりたくない」と懸命に努力している姿が感じられます。しかし、排気ガスがなくなってCO2排出量が0になってもそれはマイナスから0になっただけ。「CO2を吸収するようなクルマが出来たら」と、きっとカナリアは思っているでしょうね。

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ノーベル平和賞ゴア氏

 今日の日経新聞にアメリカのアル・ゴア前副大統領と国連のIPCCに、地球温暖化問題を啓蒙したとしてノーベル平和賞を授与されることになったとの記事が掲載されていました。日経新聞に限らず、多くの新聞で取り上げられています。ゴア氏は受賞の報を受けての記者会見で、「(温暖化問題を巡る)世界的な意識を高めるチャンス」と述べられています。

 私もゴア氏の映画「不都合な真実」が日本で放映されてすぐに見に行きました。ゴア氏の語り口、プレゼンテーションは人を惹きつけるものがありました。特にクレーンを使って地球の平均気温が近年急激に上昇していることを説明するシーンは印象的でした。世界中の人々にこの問題を伝えた功績は非常に大きいと思います。人類が気候変動を制御できなくなる前に世界中の人々が行動を起こすことが重要です。そのためには、このような「伝える」という行為は大きな意味があります。頭の中で理解するだけでなく、腑に落ち、そして行動する。心の底から「なんとかしなければ...」と思っていただけるように、人の心に響く伝え方が大事です。ゴア氏のプレゼンテーションは好例として参考にしたいものです。

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絵本で伝える人と自然のいい関係

 昨日(10/5)、ある環境を考える勉強会で、イラストレータの乾 紗英子さん という方のお話を聞きました。乾さんは大学で環境社会学を専攻され、カヤネズミに興味を持ったのをキッカケにして草地の生態系、草地の有効利用にまで思いを馳せ、絵本という媒体を使ってわかりやすく環境のこころを伝えようとされています。

 今回の講演では以下の点が印象に残りました。
第一は、絵本というメディアが、理性と感性の両面から思いを伝えることができるということです。第二は、環境への取り組みを"やらねばならない"というマイナス面ではなく、環境が豊かになるということと自分が豊かになるということが同じ方向軸に存在し得るということです。つまり、環境に良いことを普段の生活の中でがまんすることなく自然に実行する工夫というのがあり得るということです。第三は、草地というものが、資源として価値があり、循環利用ができ、暮らしの中で心の満足を得ることができるという提案です。

 雑草というのは、邪魔者というイメージがありましたが、枯渇することもなく、食糧と競合することもない環境にやさしい資源になり得るという考えは非常におもしろいと思いました。大量にどこにでも存在する草が経済価値を生むようになれば面倒な草刈りも楽しくなるかもしれません。

 人間も地球の生態系の中の一員として様々な生き物や"物"と自然に解け込んで生活する方法があるはずです。一昔前まではかやぶき屋根の家に住み、人糞も肥料として農業に利用し、環境のことを意識しなくても、無理なく自然に環境負荷の少ない生活をしていました。きっとそのような生活が今でもできるはずです。もう一度生活スタイルを見直してみたいものです。

 

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八月の虹

 「世界と日本 環境広告最前線-地球破壊を防ぐ先端的取り組み」という本を読み始めました。この本の序章に「八月の虹」というテレビコマーシャルのことが紹介されていました。2006年8月11日から24日にかけてTBSで放送された連続ドラマ風の環境をテーマにしたコマーシャルだそうです。昨年と同様、今年も猛暑となりました。いや昨年以上かもしれません。1年後の今年、改めてこのCMを上記のURLから見てみました。人類が住めなくなった40年後の地球の姿に夢の中で出会い、もうすぐ生まれてくる我が子のために木を植えようと妻に言ったところでこのCMは終わっています。このCMは「あしたのために、いまやろう」と訴えかけています。かなりインパクトの大きいCMだと思いました。

 地球環境問題は一人ひとりの意識が変わって大きなムーブメントになり、多くに人々が行動を起こさない限り解決しないと思います。その意味で環境広告を始めとする「環境コミュニケーション」の果たす役割は大きいと思います。「八月の虹」は誰も見たくはありません。明日のために、今から行動を起こしましょう。

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