環境政策

家庭のCO2の「見える化」

 3/7の日経新聞夕刊に「家庭のCO2『見える化』-政府、温暖化対策を強化」という記事が掲載されていました。

 政府は、個々の商品の製造から販売、使用、廃棄に至るCO2排出量を商品に表示する「カーボンフットプリント」制度を拡充して、排出量の削減度合いが一目でわかるマークを導入するそうです。過去に発売した自社製品と比べたCO2削減率を示すマークや、排出枠を購入したことを示す「カーボンニュートラルマーク」も導入するといいます。

 環境省も、光熱費を入力すれば排出量を算出する専門サイトを3月中に稼働させるそうです。登録者の排出量を集計し、排出量の少ない順に全国順位を示すなど、競争意識を高めるとのことです。削減するためのいろんなアイデアも掲載されるそうです。

 マークが乱立するのはどうかとも思いますが、増え続ける家庭でのCO2排出量を削減するための政策として有効に機能することを期待します。

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近畿の自治体、環境ビジネスを加速

 今朝の日経新聞に、「自治体、環境ビジネスを加速」という記事が掲載されていました。

 近畿の自治体で環境対策をビジネスにつなげようとする動きが広がりつつあるようです。

 京都市は、2009年11月に希少金属(レアメタル)を含む小型家電の回収事業を試験的に開始しました。市内の商業施設や公共施設など50ヵ所に回収ボックスを設置し、使わなくなった携帯電話や家庭用ゲーム機など15品目を回収し、取り出した希少金属を精錬するそうです。将来は精錬したものを携帯電話メーカーに販売することを検討しています。

 大阪市は、大阪ガスの提案を受け、大野、住之江、放出の市内3ヵ所の下水処理場で発生するバイオガスを精製し、都市ガスとして利用することを検討しています。

 滋賀県では、京都大学や京都、滋賀の企業などと協力し、琵琶湖に繁茂する「カナダ藻」などの水草を原料とするバイオエタノールの製造に取り組んでいます。

 兵庫県豊岡市では、市内の山林から出る間伐材をペレット化し、市内の公共施設での暖房や温泉での燃料に活用する取組みを始めています。

 環境保護に取り組む姿勢をアピールするだけでなく、厳しい財政状況の中で収益源としての可能性を探ろうという試みです。たとえば一般廃棄物の回収や処理など、自治体としてやらざるを得ない事業を収益事業に変えようという試みはいいですね。課題をチャンスに変えるビジネス感覚を行政にも磨いてもらいたいものです。

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東京都のCO2排出削減義務、今日からスタート

 東京都の改正環境確保条例が今日からスタートしました。日経新聞社の調査によりますと、4割超の事業所が省エネのため今後5年間で3億円以上投資するとしています。しかし全体の約3割が自社の事業所の省エネだけでは削減目標を達成できず、他の事業所と排出量取引の活用を検討しているとしています。

 現在の国の排出量取引制度試行では、厳密にはキャップがかけられていないこともあり、国内クレジットの取引はあまり活発ではないようですが、東京都の場合は削減が義務付けられていますので、買い手が多くなり、取引価格の高騰が懸念されています。

 双日は排出量取引のe-マーケットプレイスを立ち上げました。売り手と買い手をサイト上で仲介するものです。売買の相手を見つける手がかりを得やすくなり、排出枠の価格の相場を知ることができるという点で国内排出量取引の活性化につながる可能性があります。

 排出量取引が、排出効率を巡る競争を促進する効果を生めば、地球温暖化対策にとって有効だと思いますが、公正な競争が行われるかどうか、国の排出量取引制度の制度設計にとっても東京都の取り組みは大きな示唆を与えてくれるように思います。

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スマートグリッド標準化の動き

 今朝の日経新聞に、「次世代送電網の研究加速」という記事が掲載されていました。

 スマートグリッド(賢い送電網)とは、ITを活用して供給者と需要者の間で双方向通信を行う、次世代の電力ネットワークのことです。太陽光・風力発電等で得た電力を地域内で融通して、家庭の電力使用量も制御して省エネを実現します。

 スマートグリッドを実現するためには様々な技術が必要になります。たとえば、低価格の太陽光発電、送電ロスの少ない電線、電力の出力を安定する大容量蓄電池、通信機能付き電力計(スマートメーター)、送電網全体を見渡して太陽光発電などの出力や蓄電池の充放電などを遠隔地から指示する情報技術(IT)などがあります。

 当日経新聞の記事では、日立製作所が大型蓄電池の寿命を従来の7年半から10年に延ばしたことや、三菱電機が安定して電気を供給する送電網の技術を開発したことが紹介されています。さらに様々な技術を組み合わせて構築することになるため、機器同士をつなく標準規格などの技術標準化戦略も重要になり、世界市場で優位に立つためには日本は積極的に標準化提案をしていくことが重要としています。

 経済産業省は1/28に、「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に向けて」という国際標準化に向けてのロードマップをまとめ、公表しました。この中で、「想定される事業シーンを基に将来の社会の姿(グランドデザイン)を作成し、そのグランドデザインの達成に必要な課題として要素技術や関連技術等を分解しつつ、日本が優位にあるものを中心に、戦略的な研究開発、国際標準化、差別化の手段としての検証スキームの活用、実証事業、海外市場への展開をバックキャストとして検討していくことが重要である。」と述べられています。

 現在のビジネスモデルで成功を収めている大企業にとっては、そのビジネスモデルを壊すような行動に出るのはなかなか難しいかもしれません。その意味で中小企業にもこの社会インフラを大きく変えるスマートグリッドの波に乗れるチャンスはあるのではないでしょうか。大局的の全体像や今後のロードマップを見て自社の強みを活かせる分野を探り、従来の延長ではない新たなイノベーションにチャレンジすることで、活路を見出すことが重要だと思います。地域のコミュニティと連携して小さなコミュニティの中でトライアルし技術を磨くことも一つの方法でしょう。ここはベンチャーや中小企業にもがんばってもらいたいものです。

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COP15閉幕、新枠組みは先送り

 今朝の日経新聞に、「『温暖化』政治合意を了承 COP15閉幕 新枠組みは先送り」という記事が掲載されていました。

 コペンハーゲン合意の骨子は以下のようになっています。
①世界の気温上昇を科学的な見地から2度以内に抑制
②先進国は京都議定書よりも排出削減を強化。1/31までに目標を提示
③途上国は1/31までに排出抑制計画を提示。技術・資金支援を得た場合は国際的に監視
④先進国は10~12年に総額300億ドルの途上国支援。20年までに年1000億ドルの拠出を目指す
⑤技術移転を促すための枠組みを構築

 結局、各国の利害が対立し削減目標を盛り込んだ新枠組みづくりは先送りということです。この結論には失望感を感じます。

 結論先送りとなった根本原因は何でしょうか。自国で規制をすれば企業は他国へ逃げる。自国だけが高い目標を設定したくない。経済成長を妨げるような規制を自国にかけたくない。結局CO2削減は企業の利益を圧迫するという考えが根底にあるからなんでしょう。確かに、たとえば省エネを進める時に、設備投資が必要という面もあります。しかし省エネはエネルギーコストを削減できるので、その効果が投資を上回れば、削減義務などなくても企業は省エネ投資をするはずです。CO2削減について投資の面だけを見て、経済的効果をきちんと評価しようとしないから削減目標を義務化されるのを嫌がるのではないでしょうか。国民負担や企業負担だけが強調され過ぎています。CO2削減のためにこういう手段でこれだけ投資すれば経済的効果はこれだけあるということをきちんと数値化すればいいのです。空中で議論していてもダメだと思います。緻密な計算をして論理的に議論をすべきです。もちろん不確定要素もあるでしょう。技術開発のロードマップに予測も必要でしょう。それでも一定の確率を設定して投資と効果をシミュレーションしてみればいいのです。どこかのシンクタンクや研究機関でできないですかねぇ。政治的議論にはちょっとうんざりします。CO2を垂れ流し、地球の危機が加速度的に大きくなっている現在、あいまいな議論で結論を先送りしている余裕などないはずです。

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世界を巻き込めるか、日本の「25%削減」表明

 今朝の日経新聞に、「首相『25%削減』表明」という記事が掲載されていました。

 鳩山首相は、国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)に出席し、日本の温暖化ガスの中期目標について「2020年までに1990年比で言えば25%削減を目指す」と表明しました。但し「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、わが国の約束の前提になる」と付け加えています。

 一部には地球温暖化問題は既に深刻な状況を迎えていると言われています。温室効果ガスの代表格であるCO2の生存期間は非常に長く、100年後で1/3、1000年でも1/5は残留するそうで、今すぐ100%削減しても50年間で地球の平均気温は0.5℃上昇すると言われています。そして、産業革命以前に比べて平均気温が2℃以上上昇すると後戻りができなくなるポイントを超えてしまうとも言われています。もう既に1℃近く上昇していますから、CO2の生存期間を考えるとあまり猶予はありません。人類全員が対応しなければ地球は救えないと言ってもいいのではないでしょうか。途上国の言い分も理解できますが、途上国にも"差異"はあっても世界の温暖化対策の枠組みに入ってもらう必要があります。

 今回の鳩山首相の宣言には、国内の産業界を中心に大きな反発がありますが、批判ばかりしていても仕方がありません。地球が救えなければ元も子もありません。積み上げではなく、いわゆるバックキャスティングで目標設定をしなければなりません。厳しい目標設定は技術革新を促し、新産業や雇用を生む原動力になります。ここは腹をくくって産業界も市民もこの温暖化戦争に立ち向かわなければなりません。

 今回の鳩山宣言では、「途上国や新興国の温暖化対策を後押しするために、日本の省エネ技術や資金を提供する」と言っています。途上国や新興国を含めて世界中を巻き込んだ取組みにできるかどうか、それに地球の命運がかかっています。

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「エコ交通」網、都市部で始動

 今朝の日経新聞に「『エコ交通』網、都市部で始動」という記事が掲載されていました。

 CO2排出量の少ない「エコ交通」システムの試みが東京と大阪で始まるそうです。東京では、三菱地所や三菱商事などで構成する「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」が事業主体となり、三菱商事が所有する電気自動車計5台をカーシェアやタクシーに活用し、三菱地所がJR東京駅付近に所有するビルに急速充電スタンドを設置するそうです。このほか、電気とディーゼルのハイブリッドバスを2台エリア内で巡回させるといいます。

 大阪では、関西電力が東京大学や早稲田大学などと組み、中之島エリアで早稲田大学が開発した電気バスや大阪市立大が関電と共同開発したハイブリッド方式の水上バス、電気自動車タクシーの導入を2009年11月を目処に推進するそうです。電気バスは、GPSを活用して運行管理を行い、複数の利用者が専用サイトで現在地と目的地を入力すると、最適のルートを割り出してくれるとのことです。

 2008年度では乗用車のCO2排出量が1990年に比べて36%増加しています。その原因は乗用車の保有台数が6割増加していることが大きいとされています。都市部でのエコ交通網の整備で、乗用車の利便性に慣れっこになった現代人のうちどれだけの人が、公共交通機関の利用へと転換してくれるのか、また自家用車を手放し、カーシェアリングを利用するようになるのか、それは利便性と料金によるところが大きいでしょう。今後の展開を見守りたいものです。

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大阪府、エコカー普及促進へ加速

 今朝の日経新聞に、「環境都市、エコカーで加速-産学官22団体で普及戦略組織」という記事が掲載されていました。

 大阪府が、CO2排出量を抑えたエコカーの普及を促進するため、先に立ち上げた「大阪EVアクション協議会」と合わせて、自動車、電池メーカーやエネルギー事業者など産学官22団体で構成する「大阪エコカー普及戦略検討部会」という組織を新設したそうです。

 会議では、今後のエコカー普及目標、自治体による補助制度や税の減免など購入誘導策、充電設備や水素ステーションの設置推進策などを検討するとのことです。11~12月を目処にビジョンを取りまとめ、購入優遇策などは2010年度予算への反映を目指すとしています。

 大阪府によると、自動車からのCO2排出量は2005年度で802万㌧と府内全部門の15%を占めるそうです。使用時のCO2排出量が一番少ないのは電気自動車ですが、7月下旬から発売される三菱自動車のアイミーブの価格は459万9000円だそうで、庶民にはちょっと手がでませんね。補助金や税の減免を入れて200万円を切れば普及に加速がつくと思いますが、そのためには、他の自動車メーカーにも頑張ってもらって開発競争を繰り広げてほしいものです。

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CO2削減、出揃った中期目標。これで地球は救えるか?

 今朝の日経新聞に、「温度目標なく効果不透明-上昇幅3度の恐れ」という記事が掲載されていました。

 主要先進国が発表した2020年時点の温暖化ガス削減目標は、以下の通りです。
日本:-15%(2005年比)、米国:-14%(2005年比)、EU:-20%(1990年比)、カナダ:-20%(2006年比)、オーストラリア:-5(2000年比)
1990年比に換算すると、日本:-8%、米国:0%、EU:20%、カナダ:-3%、オーストラリア:-3%
になります。

 IPCCのシナリオによりますと、温暖化被害を最小限の抑えるには先進国全体で2020年に1990年比で25%~40%の温暖化ガス削減が必要としています。これによって今世紀末の地球の平均気温を、産業革命前と比べて2度程度の上昇にとどめうるからです。しかし、国連気候変動枠組み条約事務局の試算では、今回先進国が示した中期目標を合計しても、2020年で1990年比16%~24%減にとどまるといいます。

 ドイツの民間機関クライメート・アナリティクスは、日本の中期目標が1990年比で最大7%減と仮定して先進国の2020年の削減目標を積算し、1990年比8%~14%前後の減少になると試算しています。今世紀末までの気温上昇は3度を超える恐れがあるとしています。

 環境省の予測では、約3度の気温上昇で国内の洪水被害額は今世紀末までに年間7.6兆円に膨らみ、ブナ林はほぼ半減すると予測しています。世界的にも水不足が深刻化したり、サンゴの死滅が拡大するといった被害が予想されるとしています。

 今回、産業界や政治的な駆け引きの中で、中期目標が国際的に決められようとしていますが、科学的な分析を基に、本当に地球を救うためにはどうすればいいのかということを真剣に議論する必要があると思います。対策を遅らせば遅らせるほど被害額は大きくなります。気候を安定させなければ、経済発展も望めません。目的の優先順位を間違えると人類の未来はありません。そのことに世界中の人々、特に政治家が早く気づくべきできでしょう。また、環境対策で企業や国民の負担が増加するという試算も出ていますが、プラスの経済効果も大きいものがあります。政治家はそれもあわせて試算し、国民全体に説明し、協力を仰ぐ責任があるのではないでしょうか。

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大阪版カーボン・オフセット制度

 昨日の日経新聞に、「大阪府が中小後押し-カーボン・オフセット始動」という記事が掲載されていました。

 大阪府は今年度、中小企業が省エネ機器導入などにより実現したCO2排出削減分を大企業が活用できるように仲介する目的で、「大阪版カーボン・オフセット」制度を立ち上げるそうです。

 中小企業はまず環境省が認めた認証機関で工場などで達成したCO2削減量の検証を受け、クレジットを発行してもらいます。そして大阪府の地球温暖化防止活動推進センターが、このクレジットの売り手と買い手を仲介します。売買代金や仲介手数料は同センターが今後検討するとしています。

 中小企業はCO2排出削減分の買い手を探す手間をかけず、大手企業に買いたたかれる心配なく売却収益が得られるというものです。大企業は大阪府の温暖化防止条例により年1%のCO2削減を義務づけられており、自助努力では難しい削減をクレジット購入で実現してもらおうということです。2011年度までの3年間を新制度の試行期間とし2009年度に年36万㌧の削減を見込んでいるそうです。

 昨日のブログでも紹介しましたように、こうした制度が中小企業のコストダウンと収益確保につながり、さらに中小製造業の環境ビジネスへの挑戦を誘発してくれればと思います。国レベルでも国内クレジット制度がスタートしていますし、環境関連の補助金制度も数多く発表されています。中小企業はこうした制度を素早くキャッチし、自社の経営に生かしていくことが大切だと思います。

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