町並み環境・景観

吉野の森、エコツアー (5)

 今回は、大宇陀の江戸時代から続く町並みで今も酒造りを続ける久保本家酒造さんを見学した時の様子を紹介します。

 大宇陀の道の駅から歩くことおよそ3分。江戸時代を思わせる古い町並みが見えてきました。格子を張った景観はなんとも風情があります。格子の間隔の狭い部屋はプライバシー保護度が高いということで、VIP用とのことです。

 お店の中は蔵元の久保さんに案内していただきました。銘柄は「初霞」。「生もと造り」で造られています。生もとで造られたお酒は、酵母菌が極めて厳しい環境で育てられる為、弱い者は死に絶え、優れた者だけが生き残ることから、もろみ末期までその勢いが衰えず、完全発酵したお酒が出来上がり、熟成して旨みが増し、キレがよくなり、しかもコクのある理想的なお酒に仕上がるとのことです。試飲させていただきましたが、確かに飲みやすく、すーっとおなかに入っていくような感じがしました。世の中の99%以上のお酒は市販の乳酸を使用しているそうですが、「生もと造り」とは市販の乳酸菌を添加せず、自然界にいる乳酸菌がつくる乳酸だけで仕込む、昔ながらのお酒の造り方だそうで、手間と時間と思いをかけることで、微生物の力を最大限発揮させるということなんだそうです。造れる量は限られているそうで、敢えて派手な宣伝はせずに、ニッチなお客様を相手に手間隙かけて味を守り続ける姿勢は中小企業が生き残る一つの戦略といえるでしょう。

 お酒造りには豊かでおいしい水が必要です。ここも森の恩恵を受けているんですね。それに酒樽には吉野杉が使われています。

 工場の横の蔵にはお客様が音楽を聴いてくつろげるスペースがありました。ピアノが置いてあり、時々演奏会も行われるそうです。そしてその奥にもう一つの蔵。ここはまだ使い道を考案中だとか。二階には古文書らしきものが並んでおり、お宝が眠っているような雰囲気でした。しばし地べたに座って木の肌触りに浸らせていただきました。168 170 181 173 174 175 179 180 178

にほんブログ村 環境ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

奈良県橿原市今井町の町並み

 今日は、穏やかな秋晴れの中、奈良県橿原市今井町に行ってきました。

 今井町に残る古い町並みは、中世の環濠集落を発祥とする、称念寺を中心とした寺内町で、江戸時代も自治が行われてきた日本でも極めて珍しい歴史を持つ町です。戦国時代に高い軍事力を誇った今井町は、環濠で囲まれており、あたかも城塞都市の雰囲気があります。織田信長に対しては、本願寺とともに抗戦の構えも見せましたが、降伏し、今井町ゆかりの茶人、今井宗久らのとりなしもあって町はそのまま残され、現在もその広大な領域に戦国時代、江戸時代からの町並みと道路がそのまま残っています(基本的には16世紀と変わっていないとか)。1993年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。なんと約500棟が昔からの建築であり、重要文化財8棟、県文化財2棟、市文化財4棟があります。現在も一般の方々が生活する、生きた町です。

011_2 022_3 031 033 037

 町の要所要所にボランティアのガイドさんがおられ、この町の歴史や今の状況を語ってくれました。こうした文化財をしっかり守りながら、今も生活されているのがすごいですね。昔ながらのかまどや井戸もありました。中には土塀が剥がれ落ちているところや、今にも崩れそうなお寺がありました。修復のための国の予算が付くのを待っているとか...。

 歴史的建造物群とこれと一体となってその価値を形成している環境を保存することは大事なことです。歴史的建造物に限らず、古きよきものを生活しながら守っていく精神は環境を守っていく気持ちと相通じるものがあると思います。昔の人の知恵をもう一度見直し、生活の中に息づかせることが持続可能な社会を実現する上で大事な要素になるような気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)