化学物質管理

日本でも化学物質管理で新規制

 今朝の日経新聞に、「化学物質管理で新規制-製造・輸入量に報告義務」という記事が掲載されていました。

 政府は2010年度にも化学物質を扱う企業に対し、すべての化学物質の製造・輸入量、用途について年1回の報告を義務付ける新たな規制を導入するといいます。EUの化学物質規制「REACH」の日本版といえるもので、幅広い業種の企業が対応を迫られることになります。

 新規制は化学物質審査規正法(化審法)を改正して導入するもので、これまで対象外であった既存物質も含め2万以上の化学物質全体が対象になります。企業は年間製造量や輸入量、用途、有害情報の国への報告を義務付けられます。国は各企業の報告をまとめて化学物質の総量を把握し、環境や市民の健康に悪影響を与えないよう管理・監視を強めるとしています。

 改正法が施行されると、企業は担当者を付けて製造・輸入量や用途を記録し、毎年度末に報告するといった対応が求められ、対象は化学メーカーや商社だけでなく自動車、電機も含まれます。

 大手企業の多くはREACHの対応で既に手を打っていますが、欧州に製品を販売しておらず、REACHの対象外だった中小企業は規制に適応する準備が必要になります。担当者を置くなど事務負担が増すことになります。

 EUの規制がいよいよ国内法も変えることになりました。他国にも同様の動きがあり、EUの規制は正にデファクトスタンダードといえます。中小企業の一部はこれまでも大手企業からの要請で既に対応を迫られていたと思いますが、これでさらに多くの中小企業が対応を迫られることになります。できるだけ事務処理負担が少なくて済むように、既に構築が進んでいるREACH対応の情報基盤を共有するなどして、企業間の効率的な情報共有が図れる情報基盤の整備が早急に構築されることを期待したいものです。

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業種の枠超え化学物質の情報共有

 今朝の日経新聞に、「業種の枠超え情報共有-日立、NECなど来年4月一元管理 EU規制に対応」という記事が掲載されていました。

 素材や部品、完成品メーカーなど258の企業・団体で構成するアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)は製品に含まれる化学物質の情報を取引企業間で共有できるシステムを来春までに構築するといいます。これは今年6月に予備登録が始まったEUの化学物質規制「REACH規制」に対応するもので、国内産業界が業種の枠を超えて情報基盤を統一し、REACH規制に関する作業を大幅に削減することを狙いとしています。

 参加企業や団体は、各社が管理している製品含有化学物質の名前や安全性などの情報を同じ書式や基準でシステムに登録します。完成品メーカーはネットで検索すれば、必要な情報を一度で集められるようになるといいます。JAMP発起人の一人である松下電器は約9000社の部品や部材の調達先に参加を求める方針です。化学物質の情報管理を徹底すると同時に作業の効率化に結びつけるといいます。海外で部品調達する企業も多いことから、タイとマレーシアで今年度中にもシステム共通化の実証実験に取り組む計画だそうです。

 システムが出来たからといってREACH規制に対応するのは容易でないことは想像に難くありません。電子機器などでは部品点数が1万を超える製品も決して珍しくはありません。数多くの枝に分かれるサプライチェーンの中で、すべての情報が寸断なく流れる確率は極めて低いのではないでしょうか。川上の情報で足りない情報があっても情報伝達を止めないことが重要です。SVHC(高懸念物質)は顧客や消費者まで含有情報も開示が義務づけられていますので、SVHCだけでも伝達するようにしなければなりません。中小企業や海外のサプライヤーを含めて関連する全ての企業の理解が必要になります。システムと合わせてしっかりとしたルールを作ることが大切になると思われます。

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欧州の化学物質規制REACH (2)

 今朝の日経新聞に、昨日に引き続き、「欧州の化学物質規制」についての記事が掲載されていました。今回の副題は「取引企業と情報共有」です。

 日本の完成品メーカーがEU域内で製品を販売する際、製品に有害性が高い化学物質が一定以上含まれていることが判明した場合、まずその物質が欧州化学物質庁に登録済みかどうかを確認する必要があります。もし未登録であれば、完成品メーカーはそれぞれの用途に応じてリスクを自ら評価し、現地の販売会社か代理人を通じて登録することになります。

 完成品にどんな化学物質が含まれているかを把握するために、REACH規則は素材、部品、完成品のそれぞれのメーカーにサプライチェーンでの管理を求めています。すなわち、素材メーカーは取引先の部品メーカーに、部品メーカーは完成品メーカーに化学物質の登録の有無や安全性データなどを報告する義務を負います。逆に完成品は部品、部品は素材へと化学物質の用途や使用量などを伝えなければなりません。

 情報交換を円滑に進めるために、旭化成、村田製作所、松下電器産業など230社強の企業がアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)を組織し、化学物質情報の管理や開示で共通の仕組み作りを進めています。韓国のサムスン電子やLG電子も参加しています。登録はそれぞれの企業が物質毎に実施しますが、EUは同じ物質を扱う企業間でデータの共有を求めています。データを持たない企業はすでに保有する企業から有償で情報提供を受けることになります。

 JAMPはルール作りと合わせて共通の情報基盤の構築を進めていますので、各企業は自社の化学物質管理システムとJAMPの情報基盤とを連携し、情報提供と情報収集をすることになると思われます。自社に管理システムを持たない中小企業へのサポート機能の準備も進められていると聞きます。つまり総力戦で対応しないとREACH規制への対応は困難ということです。さらにサプライチェーンもグローバルに広がってきていますから、海外のサプライヤーや素材メーカーとの情報共有も必要になりますね。

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欧州の化学物質規制REACH (1)

 今朝の日経新聞に、「欧州の化学物質規制-企業に安全性評価義務」という記事が掲載されていました。

 自動車、家電、雑貨など工業製品に含まれる化学物質は、現在あるだけで3万種類に及ぶと言われています。その化学物質が健康や環境に与えるリスクを企業に登録させるのがEUの化学物質規制「REACH規制」です。6月から予備登録がスタートし、本格的な運用が開始されます。

 企業はEU域内で製造・販売する年間1トン以上の化学物質について、安全性を評価し欧州化学物質庁に登録しなければなりません。加工品に含まれる物質も対象で、完成品メーカーも対応が求められます。新規物質や特定物質だけでなく、たとえばにおい付きの消しゴムのにおいの成分も登録が必要になります。登録しないと出荷停止処分などを受ける可能性があります。すでに広く使われている物質も登録対象というわけです。

 欧州の生産・販売法人に登録義務があるほか、日本国内やアジアの工場でも製品が欧州に輸出される場合は、実質的にREACH対応が求められます。予備登録の受付期間は6/1から12/1までの6ヶ月間です。予備登録していないと12月以降、データを添えて本登録を済ませないと取り扱いができなくなります。

 これまではEUの化学物質規制にはRoHS指令というのがありました。RoHS指令の場合は水銀、鉛、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ジフェニルエーテルの6物質のみが規制の対象で、6物質の使用を禁止、制限していました。REACHの場合は化学物質すべてが対象で、使用する場合はそのデータを提出するという形になります。法律的な位置づけはREACHの方が上位になります。RoHSの場合は成形品の含有化学物質情報だけが注目されていましたが、REACHでは最上流の化学原料メーカーから最下流の完成品メーカーまで、相互に情報を伝達する仕組みが必要になります。もはや1企業だけでは大手といえども対応は不可能です。業界を越えて化学物質含有情報を共有するしくみ、情報基盤が必要になります。

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降り始めの雨に要注意

 今朝の日経新聞に、雨に含まれる汚染物質についての記事が掲載されていました。

 急に雨が降り始めた時、またはポツポツと降る弱い雨などの場合、傘をささずに駆け出してしまう人が多いといいます。そういえば私も少々の雨ならバス停から自宅まで走って帰ることもよくあります。これがどうやら危険のようです。空気中には自動車の排気ガス、工場からの煤煙、地面から舞い上がった土ぼこり、花粉などが含まれています。降り始めの雨にはこれらの大気汚染物質の多くを取り込んでしまい、一番汚れた雨だそうです。そういえば、ごく短時間の雨やぱらついた程度の雨の後、自動車のボンネットがひどく汚れているのに気づくことがあります。

 汚染物質のうち窒素酸化物や硫黄酸化物の一部は空気中で反応して硝酸や硫酸に変化します。これが雨に溶け込んだものが酸性雨です。雨や地上に落下する際に、その他の汚染物質も取り込み、雨と一緒に汚染された上空の空気も降りてきます。また大した雨ではないからといって、傘をささずに歩くのは、汚染物質を身体中で浴びているようなものなんですよね。最近は、国内の汚染物質に加えて、中国からの黄砂や硫黄酸化物などの汚染物質が急増していますので、要注意です。

 雨が降り始めたら面倒くさがらずに、すぐに傘をさして身を守ることが大事ですね。

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中国が新環境保護策

 今朝の日経新聞に「中国が新環境保護策」という記事が掲載されていました。

 中国政府は1/22に深刻な汚染状況の改善に向けた新たな環境保護策を打ち出したとのことです。都市部の汚水処理能力を向上させ、農村への工場進出も制限するといいます。都市部では、1日当たりの汚水処理能力を1200万トン上げ、8500万トンに強化するほか、汚水処理場には新たな監視システムを導入し、発電力が3000万KW規模以上の火力発電所すべてに脱硫装置を設置します。また汚染物質の排出量が多い工場や、技術革新が遅れた企業は農村部への移転を禁止。飲用水についても水源地となる南部江蘇省の太湖など主要九湖の富栄養化が深刻な場合、全流域で窒素やリンを排出する工場の新設を禁じています。

 この記事を見た時、1/6に放送された「素敵な宇宙船地球号」の「緑色記者 涙の事件簿」というテレビ番組を思い出しました。この番組では、「緑色記者」と呼ばれる中国の環境問題を専門に取材する新聞記者の活動を紹介していました。

 北京は降水量の少ない乾燥地帯にある上、人口集中と生活レベルの向上により、水不足が深刻になっています。この水不足を解消するために、中国政府は「南水北調」という国家事業を進めようとしています。水が豊富な南部の長江流域から東線、中央線、西線の三つのルートで北部の乾燥地帯に水を運ぶ壮大な計画です。しかし、年間1兆リットルの水を供給する中央線の水源となる長江支流の丹江口ダムが、汚染の危機にさらされているというのです。ダムを抱える十堰市は重工業や製薬産業が中心の工業都市で、2002年以降、「水汚染防止計画」を実行してきましたが、市の中心部を流れる馬家河には、いたるところから生活排水や工業廃水が垂れ流され、輸血製剤など、危険な医療廃棄物までもが不法投棄されているのが現実です。昨年11月、馬家河の下流で魚が大量死しているという情報が入りました。ここは曽家湾村、丹江口ダム近くにあります。川で魚の養殖をしてきましたが、2年前から大量死が多発、今は農業で暮らしを支えています。村人は何度も、原因は十堰市の汚水だと政府に訴え、政府は村に井戸を掘り、各家庭に水道を引きました。しかし、長年、川の水を飲み続けてきた村人の中には重い肝臓病を患う人が増えています。この惨状を目の当たりにした「緑色記者」のリ・ギョクケンさんはこのことを記事にし、昨年11月下旬にネット上に掲載されました。タイトルは「毒水北調」です。毒の水が北京に運ばれるというわけです。

 このような状況は、まるで1960~1970年代の高度経済成長期の日本で発生した水俣病を始めとする公害の惨状を見るようです。痛ましい状態が中国で繰り返されていることに胸が痛みます。今回の新環境保護策は、中国政府がようやくこのことに気づき、対策を打ち始めたということでしょう。たとえ1本のペンでも世間に知らせるということは政府をも動かす大きな力になります。「緑色記者」の活動に期待したいものです。

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化学物質規制強化へ 家電・日用品 安全基準を国際化

 今朝の産経新聞によると、政府は健康や環境に影響を与える可能性のある化学物質を規制する「化学物質審査規正法(化審法)」を抜本的の改正することを発表しました。

 これまでは主に新たに開発された有害可能性物質を規制していましたが、今回の改正では、規制範囲を広げ、こうした原料を使用している最終製品にまで審査対象を拡大します。化審法を抜本改正するのは、化学物質に対する安全基準を国際基準にすりあわせるためとのことです。

 EUでは、RoHS指令に続き、2007年6月にREACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)という法律が発効されました。これは、化学物質を年間1トン以上、製造しEUへ輸出する業者に対して、含有している化学物質の量や危険度に関する情報提出を義務づけた法律で、予備登録が2008年6月から開始されます。対象物質は約3万種類に上り、これまでのRoHS指令の6物質に比べると、EUへの輸出業者にとってかなりの負担になることが予想されています。しかも、既存化学物質と新規化学物質を区別せずに一律に規制することや、特定の条件に合致する場合、成形品(いわゆる製品)の中の化学物質も規制すること、サプライチェーンでの情報伝達を要求することなど、今までにない新しいタイプの化学物質規制です。EUへの輸出品だけを区別して作るというのも非効率になりますので、結果的にEUの規制が国際基準としての位置づけになります。

 日本では、REACHへの対応を国をあげて取り組もうとしていますが、国内の規制である化審法もこれにあわせようということです。

 こういった規制強化は、消費者にとってはいいことですが、企業にとっては負担が増えることになります。しかし、こういった規制を先取りして取り組むことによって差別化を図り、優位性を確保することが企業にとっては重要になります。

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