CSR

地球規模の社会的責任 GSR

 今朝の日経新聞に、「GSR問われる時代に」という記事が掲載されていました。

 温暖化や食料不足、感染症の蔓延といった問題は世界共通の脅威であり、1国単位で対処できる範囲を超えています。こうした課題の克服には政府や市民、ビジネス界などの各セクターも国境を越えた対応が必要になってきます。いわば地球規模の社会的責任(GSR:Global Social Responsibility)が問われる時代になってきました。

 ケニア環境副大臣を務めた環境保護活動家のワンガリ・マータイさんは、世界中で植林活動を進める「グリーンベルト運動」に取り組まれています。「環境保護は資源の公平な分配や管理につながる。それは政府に適切な統治を促すきっかけとなり、やがては平和の構築にもつながってくる」と言います。またGSRという考え方について、「温暖化は影響が世界中に及ぶ問題だ。責任は地球規模といえる。具体的な温暖化ガス削減目標などを設定して、それに向かって先進国と途上国が連携して取り組む必要がある」と言います。国連難民高等弁務官のアントニオ・グテレスさんは、「難民問題も従来のように政治的対立や民族紛争だけでなく、食料やエネルギー価格の上昇、気候変動、貧困など様々な要因が絡み合って発生しており、幅広い分野の専門的知識が不可欠だ。専門性や得意分野を持つ民間企業と協力する必要はかつてないほど高まっている」と言います。国連環境計画事務局次長のアンジェラ・クロッパーさんは、「地球温暖化などは1国で対処できる問題ではない。発展の段階によって差はあるが、各国とも地球に対する共通の責任を負っている。企業や市民なども含めた各セクターが協力し、社会全体としてアプロ-チすることが必要」と言います。

 企業が地球規模で環境問題や社会問題に取り組む姿も随所に見られるようになってきました。いくつかの企業はボルネオの森林保護活動に協力していますし、難民登録に使うソフトウェアを開発する企業、難民キャンプでスポーツ行事を主催する企業もあります。企業の社会的責任(CSR)はグローバルに広がってきているといえるでしょう。また、企業だけでなく個人、NGO、NPO、政府などの各セクターが国境を越えたグローバルな問題に対処する意識を持ち、それぞれがその役割を果たすことが重要になってきています。

 我々市民も、グローバルに社会問題、環境問題を考えなければなりません。この食べ物はどこから来ているのだろうか、現地の国の環境破壊につながってはいないだろうか。現地の人々の貧困を助長してはいないだろうかと。GSRという概念は大変重要です。地球は1つ。共通の目的のためにお互いの利害を超えて、皆で責任ある行動をとり、解決に向けた取り組みをしていきたいものです。

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「うそ」を許さない社会へ

 今朝の日経新聞に、「偽装許さず取引先も監視」という記事が掲載されていました。

 リコーは、再生紙の古紙配合率の偽装が続々と表面化した1月半ば頃から、製紙会社の監視を強化しています。偽装の手を染めたのが製紙会社でも、顧客の矢面に立つのは自社ブランドで販売しているリコーになります。製紙工場に入荷した古紙の量と再生紙の出荷量を自分の手で付き合わせるといいます。

 オフィス向け文具通販最大手のアスクルは、これまでにも原材料のトレーサビリティ(生産履歴の追跡)調査に力を入れてきました。しかし、メーカーが提出するデータ自体が虚偽ではこれまでのトレーサビリティも意味がなくなると警戒感を強めています。

 昨年、基準を上回る有害物質を含むペットフードや玩具が見つかり回収騒動に揺れた米国では、小売業で危機感が強まりました。世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズでは、環境対策の取組みに応じて点数で格付けし、食品会社には第三者機関の認証取得を義務づけました。「約束を守らない企業とは取引を停止する」と言っています。

 ヒューレット・パッカード(HP)は、2006年に仕入先115社に立ち入り監査を実施しました。問題が見つかれば共同で行動計画を立て、改善を確認するまで監査を繰り返すといいます。

 2006年7月より施行されたEUの化学物質規制「RoHS指令」では規制値を超えれば罰金や販売停止などの厳しい措置が取られます。日本の家電メーカー等はサプライチェーンを遡り、仕入先に含有化学物質の情報開示を要求するとともに、分析データの提供も求めています。しかしそういったデータをも偽装されては意味がなくなります。

 信頼から監視へ。ソニーは定期的に仕入先を訪れ、工場で抜き取り検査も実施しているといいます。4000社への監査担当者は総勢700人。先日、再生樹脂での配合率偽装が発覚したように、環境偽装は広がりを見せています。「仕入先に任せていた」はもう通用しない時代になってきました。

 監視を強めればそれだけコストがかかり、環境配慮企業に負担が重くのしかかります。場合によっては商品価格に転嫁される可能性もあります。何か、空しさを感じます。もう誰も信用できないのでしょうか? すべての企業がCSRをきちんと果たしておればこんなムダな作業はいらないのです。厳しい社会の目が、企業にCSRを果たし続けるようになることを祈りたいものです。

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CSR調達

 今朝の日経新聞に、「取引先5000社のCSRを評価 凸版」という記事が掲載されていました。

 凸版印刷は約5000社の取引先のCSR(企業の社会的責任)に対する取り組みを評価し、発注に反映させるとしています。製紙会社など大手企業だけでなく、一部工程を請け負う中小の強力会社も対象に含めています。仮に取引先のCSRの不徹底で顧客企業や消費者に被害が出れば、凸版印刷も責任を免れることはできないと判断したためです。2009年度までに法令順守や情報管理体制など20項目について、取り組み状況を4段階で自己評価した報告書を提出してもらい、点数が低い取引先には凸版印刷の担当者が改善策のヒアリングを実施するとしています。

 最近、大手企業においては、自社がCSRの取り組みを行うだけでなく、CSRの取り組みを調達先の企業にも求めるケースが増えてきています。 購入先へ遵守を求めている主なCSR項目は、①品質・安全の確保、②環境への配慮、③法令・社会規範の遵守、公正な取引(コンプライアンス)、④情報セキュリティの確保、⑤人権や労働安全衛生への配慮、⑥社会貢献 などです。CSR調達基準を設け、それの対応状況を勘案して調達先を絞り込むということが行われています。凸版印刷もCSR調達基準を定めています。CSR調達が行われるのは、昨今の消費者の目が厳しく、サプライチェーンの川下にあたる企業はサプライチェーン全体に責任を持たなけれなならなくなってきたからです。このようにして大企業から始まったCSRの取り組みは中小企業へと広がっています。中小企業にとっては、大企業からの外圧で仕方なしに行うのではなく、先手を打ってCSRに取り組み、他社との差別化を図り、優位にビジネスを展開することが必要だと思います。

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